3代目です。
大変遅くなってしまいましたが、丹後ツアーの続き「2日目」報告です。

2日目はがっつり見学ツアー!

まずはてれびじょんでも有名な(株)ワタマサさんへ。
ワタマサの渡邉正輝社長さんは実は先日、体調を崩されて宴会には来られなかったのですが、なんとあづまやのために病院で点滴までして次の日には私たちの前に出てきてくれました!

ワタマサの渡邉さん、ありがとうございました!

今日のツアーは、40名では多すぎて皆さんが詳しく説明を聞き取れないのと、小規模のメーカーさんは入りきらないということで、丹後の皆さんとあづまや3代目は頭をヒネって、マイクロバスをわざわざ丹後で1台借りてA班・B班・C班というように4組にわけて10名ずつ大型バスとマイクロバス2台に別れて各メーカーさんを回るという奇想天外の行程となりました。

イコール、各メーカーさんの社長さんは4回、同じ説明をしないといけないとなり負担をかけてしまうことになるのですが、社長の皆さんは本当に献身的に親切にしかも優しく面白く説明していただきました!

2日目の行程は主に与謝野地区を回るということで、コウジュササキの佐々木さんと今回のツアーには入らないにも関わらず糸利の糸井さんが各メーカーを回る順番からバスの手配までしていただけました。お二人には本当に感謝いたします!

ワタマサさんは、主に白生地を織っていらっしゃるのですが、先日伺った田勇機業さんとは少し違い、先染めのお召なども織っていらっしゃいました。上記の写真はちりめんが出来る行程を詳しく説明していただいた物です。

ワタマサさんの工場の様子です。とにかく広い!天井が高い!3代目はほとんどの着物産地に視察に行っていますがここまで広くそして綺麗な工場はあまり見たことがありません。着物を織っている現場はどちらかといえば昔ながらの木造の平屋で狭いところでやっているというイメージですがワタマサさんは最新のアパレル工場のように明るく広い工場が印象的でした。

機械音の凄い工場内で体調の悪い中でも渡邉社長は声を張り上げ皆さんに知ってもらおうと一生懸命説明していただけました。
そして目玉は、2枚目の写真。なにやら階段を上がっていますね。

なんと、ジャカード織機の上に上がることができるというサプライズ!
ワタマサさんではメンテナンス向上のため、ジャカード機を上から見ることができます。ジャカードの仕組みってなかなか理解できないですよね?でも上から見ることが出来るとかなり理解しやすいので皆さん感動していました。

お次はコウジュササキさん

コウジュササキさんはニット織の有名なメーカーさんです。
昔は着物業界のお仕事をしていたのですが、最近では主にアパレル(洋装)を手がけていらっしゃいます。

写真のようにニットのお洋服が工場内に所狭しと並んでいました。ここでも佐々木さんはもちろんのこと、ご両親も丁寧にニットの工程を教えていただきました。
写真には無いですが、奥様はすぐお隣の元酒蔵を改築して地元の皆さんで協力しあってちょっとした憩いの場を作っていらっしゃいました。そこでいただいた地元の甘酒は格別でした。

お昼はとても雰囲気のある料理旅館の井筒屋さんへ

お昼は佐々木さんと糸井さんに趣のある建物に招待していただきました。
料理旅館「井筒屋」さんです。丹後織物業界の全盛期にはとても賑わったというお話にもわかるように室内のしつらえもすごかったです。

いただいたのは丹後名物「ばら寿司」です。鯖のそぼろが入っているのが特徴らしいのですが、本当に美味しくいただきました。
しかも以下の写真のようにお女将さんから特別メニューまでサービスいただき感謝の極みです。
これも佐々木さんや糸井さんの普段からのお付き合いの賜物だとおもいます。

美味しい料理と楽しい会話があればそこにはもちろん、はいお酒ですね!カンパーイ!

仙人レベルの技 登喜蔵さんへ

次に伺ったのは素敵なお庭のある登喜蔵(ときぞう)さんです。登喜蔵さんはご夫婦で営んでいらっしゃり、今までの工場とは違い全て手仕事の技を使って作品を創作されております。こちらも私が今までいろんな産地でいろんな先生を見てきましたが、登喜蔵さんレベルの方にはあまりお会いした事がないくらい「本物の作家さん」だといえます。

3代目がこんな家に住みたい!と言える素敵な日本家屋です。登喜蔵さんの商品はこの雰囲気なくして出来ないんだなとも思えます。

登喜蔵さん最大の特徴、繭から染めて糸をとる「ずり出し」しかも染める染料は草木染100%でその材料はすべて丹後の山からいただくという徹底ぶり。もう言葉も出ません。写真は登喜蔵さんお得意の「椿染」をはじめとする草木染めの美しい糸。

自然の染料とずり出し絹糸でしか成し得ない微妙な色のコントラストは人を魅了します。言葉はいらないとはまさにこのこと。
3代目もいつかは登喜蔵さんの着物を必ず手にしたいと思います。それには私にはまだまだ修行が足らないと思います。
いつか似合う男になりたいと思います。

お弟子さんが増えた柴田織物さんへ

4年前に伺った時には柴田織物さんには織機もお弟子さんもいなかったのですが、なんと今年は織機も入りお弟子さんもいらっしゃいます。

柴田織物さんの特徴と言えば、、「紋意匠」をご自身で出来ること!しかもその布の機能性まで知り尽くしていることです。
おい!紋意匠って何?と言われる声が聞こえてきそうなのでちょっと説明しますと「生地の組織をデザイン」することです。
組織をデザイン!?まだまだわかりづらいですね。要は「織り模様をデザイン」することが出来るということなのです。

で、それで何ができるの?という声がまたまた聞こえそうですよね(笑

柴田織物さんは好きな柄を織物に出来る技術の持ち主なんです。
当店で男性に人気の「パイソン」や「ランドスケープ」シリーズなど他には絶対ないような着物地を世に送り出しています。
しかもとっても若手のお弟子さんがいらっしゃいました!皆さんも是非ともこれからの柴田織物さんをチェックしてくださいね!
もちろんてれびじょんでもご紹介していきます。

見学が終わってからもありえない展示会

なんと全ての見学の後、あづまやのためだけにホテル丹後王国のホールを貸切って見学をしたメーカーさんだけなく、丹後の皆さんによる「丹後織物ギャラリー」という名の展示会を開いていただきました。
工場見学の良いところは商品の出来上がる工程がみれることですが、ネックの一つに、メーカーは小売店ではないので完成した商品をゆっくり見られるスペースやそもそも商品が無い場合がございます。今回は見学はあくまで見学だけで、商品の現物や説明はこの丹後織物ギャラリーにて直接見て触って説明が聞けるという企画をしました。

見学先の社長さんは自社の見学が終わると同時にホテルへ先回りして準備をしていただきました。
皆さん本当にありがとうございます!もう幸せすぎて涙が出ます。

皆さん、思い思いのメーカーさんに行き納得するまで商品の説明や実際に触れて見たりしました。
この場所では一切買えないことにしたので、あづまやが売り込むことはありません(笑
怖いお店はいない宣言です!

でも、もちろん全く買えないというのは丹後の皆さんにも失礼なので、欲しい人だけ後日相談の予約は取らせていただきました。
自分の好きなものをゆっくり納得できるまで説明を受ける事が大事だと思って丹後の皆さんに協力いただき企画しました。

この後は楽しすぎる宴会2日目です

展示会の後は楽しすぎる宴会2日目です。
特にプチDが一番楽しみにしていたカニづくしの料理です。
この様子は次の最後のブログでご紹介しますね!

お楽しみに!