皆さん下駄の裏が上の写真のようになった経験はありませんか?
ん?何この写真?気持ち悪っ!と思われた方もいらっしゃると思います。
実はこの写真。。下駄の裏側のゴムの部分をアップした写真です。
よく見ると、砂利のような石がゴムにめり込んでいるように見えますよね?
もしご自身が下駄をお持ちであれば、一度裏側を見てください。
いかがでしょうか?
意外と驚かれると思いますが、ほとんどの方がこうなっている、または「もっとひどいことになっているんですけど〜!」となる方もいらっしゃると思います。
で、何が言いたいかと言いますと。
石がめり込んだままだと、こんな事になります。
1、下駄の底が減りやすくなり、本体の木が悪くなる
2、その穴から水を吸うと下駄の素材である木(多くは桐)が縁側から腐りやすくなる
3、石が床を傷付ける恐れがある。底が擦れてキーキー音が鳴る。
4、なにより早く寿命が終わってしまう。
と実は悪いことずくめです。
数百円とかで売っている下駄であれば、まぁ使い捨てでも良いかってなると思いますが、この写真のお客様の下駄(桜の皮が貼ってある)のように高級な物ですと、大事に長く履きたいですよね?
で、あづまやは何をやっているかと言いますと。
次の写真をごらんください。
単刀直入に言えば
裏を剥がして、ゴムを貼り直すサービスをしています。
*基本、当店でお買い上げいただいた物に限りますが、どうしてもお困りの場合はブログを見たと言ってください。
着物屋さんがなぜ!?と言われるお客様もいらっしゃいますが(笑
もともと私が14年ほど前から毎日着物を着て生活を始めて以来、下駄や履物について疑問に思うことが年々増えていき6・7年ほど前からは、メーカーさんや問屋さんに口すっぱく、底の素材がどうにかならないか?と聞いて回ってました。
その理由は、私のように毎日履くようになると、、、通常の革底の雪駄や草履ですと2・3ヶ月ほどでまずは踵(かかと)の部分がダメになります。アスファルトで底が削れるのが一番の理由です。また、革は水に弱いので雨が降っている日に何度か履くと、しっかり管理しないと、裏がカビたりボロボロに劣化したりしました。
いくら着物屋といえどもそんなに簡単に買えませんし、なにより気に入った履物は長く楽しみたいという思いが積もって、
いつかしら自分で自分の草履の底を交換し始めました
で、初めに探したのは和装業界でしたが、誰もそんな事をしたことがない、あるいは「踵のゴムは交換できます」「革の交換は出来ます」と従来の物からの頭しかなかったのです。
いまでは菱屋カレンブロッソさんの草履があるので、そんな心配は少なくなりましたが、着物好きの誰に聞いても同様の悩みはあることがわかりました。
私が自分で交換した草履を履いていたら、お客様から「私のもやってほしい」「僕のも」となり、始めは「責任負えませんよ」と言いながら受けていました。
常連さんには色々とモニターになってもらい底の素材も色々と変え、たどり着いたのが写真の「ビブラムソール」です。
靴業界では知らない人はいないというくらい、靴底のゴム素材では丈夫で有名なメーカーさんです。
そして知らないうちに広まり、今では100足近くの底素材を張り替えて来ました。
私も試しましたが、数ヶ月だった履物が数年は持ちます!
では今回の例を出して、順番に説明します!
まずは裏のゴムを剥がします!
剥がすとびっくり!穴が開いたように砂利が元の桐材に刺さっていてデコボコになってしまっています。
写真の例はまだ良い方で、直す方のほとんどはもっと凹んでいます。
凹んだまま、ゴムを張り替えるわけにはいかないので、必ず木工用パテで埋めて平らにします。ひどい時はグラインダーで削ったりもします。
グラインダーを持っている着物屋ってなかなかないはず?w
そのあとにゴムを接着します。簡単には接着できないので、万力などで1日かけてしっかり接着します。
出来上がりました!
触ってみるとわかるのですが、買った当初から付いていたゴムよりもはるかに硬く、ブロックも滑りにくいパターンです。
砂利はもちろん、ある程度尖った物でも跳ね返します!
あづまやではこんなサービスも日々受けています。
ただし、、、急ぎでは出来ないのでくれぐれも納期には余裕を持ってお願いいたします(笑
是非とも着物について疑問を感じたら「しょうがない」と思わないで勇気を持って聞いてください!
お暇があれば以下の動画も是非ともご視聴ください
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