三代目です。
ここ数日、本当にご遠方からのお客様がご来店になっています。
昨日はなんとカナダのバンクーバーにお住いの日本人の方が初めてのご来店、そして本日は青森から定期的にお越し下さるお客様がお見えになりました。
ありがたいことに当店のYouTube動画やHPなどをご覧になり遠方からのお客様が増えてきています。
失礼なことかもしれませんが、ご遠方の方がご来店されると「なぜ当店にお越しくださいましたか?」とお聞きしています。
カナダの方は、てれびじょんをいつもご視聴くださっていて、日本に帰国した際には必ず当店に立ち寄り着物関係のご相談に来たかったと仰ってくださり、カナダでの着物イベントを企画されているご予定から、この場にふさわしい着物やそもそもイベントの内容についてなどのご相談をいただきました。私も日本で色々な着物イベントを企画運営している経験から私なりにアドバイスさせていただきました。
本日の青森からのお客様は、いつも青森の気候に合うスタイルのご提案やご自身の好みに合わせた着物や長襦袢、コートなどその方の為にオリジナル仕様で別注をいただいております。今日は暑がりさんだそうで夏を見越して綿楊柳の生地で肌襦袢をお作りすることになりました。
広島からのお客様は、ご自身のお母様やお祖母様の着物のお直しができるかそして、本当にこれは価値のあるものなのか、価値の無いものなのかを本音で純粋に聞きたくってといらっしゃいました。そちらの方には私の経験から考えうる複数のご提案をさせていただき直して着るもの、そして純粋に残しておいた方がよい着物と残さない着物を決めていただきました。
上記はほんの一例です。
ご遠方からお見えになる理由のほとんどは、てれびじょんをご視聴になってなのですが、上記のようにみなさんご来店理由は様々です。てれびじょんのアーカイブの番組内容と比例するようにその種類ごとに皆さんそれぞれのご相談があります。
ネットでも毎日のようにご相談のメールは受けておりますが、そのご相談の内容によってはどうしても実際の商品を私が見て触ってそしてなによりお客様と顔を合わせてお話しさせていただかないと、お着物のご相談って実は言い切れないところがあることを知っていただきたいので、最後の最後にはできればご来店をお願いしております。
そしてきわめつけはちょっと前のお話なのですが、九州博多からのお客様がご来店。
何度か当店にお見えになっているお客様なのですが、いつもはカジュアルな木綿着物などを着こなされているお客様が今回は正絹のお召しが欲しいとのこと。
親類の結婚式やなにかセレモニーで着られるのかとよくよく聞いてみると。。
店長も興味のあることですよw とのこと。
「羽生さんが竜王を取ったらその就任式にいけたらそこで着たいので作っちゃいます!」
羽生さんとはもちろんフィギュアスケートではなく将棋の世界で有名な羽生(はぶ)さんです(笑
なんと、たしかにその時期は羽生さんが竜王位と永世7冠をかけてシリーズを戦っている最中でしたが、まだ竜王が取れると決まっていなかったですし、そもそも就任式が行われることはわかっていてもそこに本当に行けるのか?はたまた当日その式に入ることができるのか?わからないですよね?とお聞きすると、「とにかく行きたいし応援する気持ちで作りたいんです。」とのお答え。
私は、「もうかっこよすぎですよ!」「そのお気持ちにお応えしたいです、私もその着物を作ったお店として誇りに思います」羽生さんには絶対に竜王を取ってもらいたいですよね。
はてさて、、それでは就任式に相応しい着物というと、おそらく羽生さんは黒紋付で出席されるような場所であると想像されますしもちろんそのお客様のその後にも使いたいということでカジュアル過ぎず、かと言って礼装に偏りすぎない着物を探しましょうということになり、お召しでも江戸小紋の織り柄が市松になっている着物に決定しました。
さてそれからというもの、お仕立てしている期間はもうドキドキです。羽生さんが1勝するたびに、よっしゃー!ってなっていました。(お相手の渡辺明さんすいません、渡辺さんも私は嫌いではないのです。)
そしてついに時は来ました!「羽生さんついに竜王・永世7冠に!」
で送られて来たのが以下の写真。(ご本人から了承いただいております)
私も行きたかったのですが、ニコ生放送で仕事の合間に少しの間見ていました。
○さんいないかなぁ〜?と画面上で探しましたが残念ながらわからなかったです。
でも、こんな思いで着物を作るってとても素敵なことではないでしょうか?
当店は着物を通じて、みなさんそれぞれの想いを形にすることを一番に考えています。
たとえ当店がお勧めしたい着物や帯があっても、お客様が本当に欲しているのか?はたまたその方にとって本当に必要なのか?まず考えることが着物専門店として長くお客様に愛していただけるお店だとスタッフ一同肝に銘じ、ご来店のほどお待ち申し上げております。
着物って嬉しい楽しいを形にするお店に来てみませんか?
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